「お客様の悩みにぴったりな商品なのになかなか販売につながらない」「商品の良さを伝えたいけど、押し売りみたいになってしまう」「商品の話を聞いてもらえない」ドラッグストアで働いていると、こんな悩みはありませんか?
ドラッグストアでは企業とに推奨品があり、積極的に販売することを求められます。そして、一生懸命商品の紹介をしてみたけれど、最後まで話を聞いてもらえない、思うように販売につながらないことがほとんどです。筆者も同じ悩みを抱えていました。 しかし、これから紹介する方法を知ってから、販売トークへの苦手意識が少しずつ薄れていきました。
話が少し逸れますが、なんとなく気になって通販サイトを見ていただけなのに、読み進めるうちにどんどん魅力的に感じてしまい、気づいたら購入ボタンを押していた経験はありませんか?実はこういったサイトの文章は「PASONAの法則』という心理法則が用いられています。PASONAの法則は、文章だけじゃなく、店舗での販売トークでも十分活用できると筆者は考えています。
販売トークが苦手な人こそ、今から紹介する方法をぜひ試してほしいです。
日本を代表するマーケターである神田昌典氏が提唱したマーケティングの法則です。もともとはセールスレターなどの文章術として知られていますが、筆者はこれを販売トークに応用してきました。PASONAの法則は、以下の流れでお客様の心を動かします。
1.Problem(問題)
2.Affinity(親近感)
3.Solution(解決策)
4.Offer(提案)
5.Narrowing down(絞り込み)
6.Action(行動)
この流れに沿って話すだけでお客様は自然と「これ、私に必要かも」と感じてくれるようになります。それでは、ひとつずつ解説していきます。
お客様自身も気づいていない悩みを質問で明確にしましょう。実は、お客様自身も自分の悩みをはっきりと言語化できていないことが多いのです。「なんとなく疲れやすい」「最近、肌の調子が…」といった、ぼんやりした不安を抱えている状態のお客様が多いです。まずはお客様の悩みを引き出し「熟睡できていますか?」「お肌が乾燥していませんか?」などのように悩みを言葉にしてあげましょう。このように問いかけることで、お客様は「できてないかも」や「そうなんです!」と自分の悩みをはっきりと認識します。ただ、この際に「頻尿ですか?」「シミが増えましたか?」など、直接的な言葉を使うと抵抗されてしまうので注意が必要です。
悩みを引き出したら、共感を示してお客様に寄り添うことが大切です。すぐに売り込みを始めてしまうと、お客様は身構えてしまい抵抗感がうまれます。なので「この人は私の気持ちをわかってくれている」と思ってもらえれば心を開いてくれます。共感のポイントは、自分の経験や、周りのお客様の声を交えることです。お客様と同じ実体験があれば「わかります。そのお気持ち。私もそうだったんです。」と伝え、実体験がなくても周囲に同じ悩みの人、接客経験があれば「実は、同じようなお悩みをお持ちの方、多いんですよ」と伝えるだけでも、お客様は「自分だけじゃないんだ」と安心します。共感の言葉を挟むだけで、お客様との距離がぐっと縮まることでしょう。
商品名はまだ出さず、「解決できる方法がある」と伝えましょう。共感を示したら、次は解決策を提案します。商品の紹介に入るのではなく「こういう成分が効果的なんですよ」「こういうケアが有効なんです」と解決の方向性だけを示します。「へぇ、そうなんだ」とお客様が興味を示し始めたら、話を聞いてもらえる(販売の)チャンスです。
解決策が面倒であればあるほど、お客様は「何か手っ取り早いのはある?」と自ら商品を求めてくれます。ここでようやく、具体的な商品を提案、説明…をしたいところですが、商品を提案した後、説明に入る前に実際に商品を使用しているお客様の感想を伝えましょう。「この商品を飲んでいるお客様の中には、この商品のおかげで毎朝スッキリ目覚める」や「お客様の中には、『朝の化粧ノリが全然違う』とおっしゃる方も多いんですよ」など、商品を購入した未来を想像させることがポイントです。実際に使用経験があれば「実は私も使っているんですが」と、リアルな声もあるとお客様の興味をさらに引きます。
そして、「この商品に〇〇と△△がたくさん入っていて、一日一回飲むだけでいいんです」など商品の魅力を説明することで、お客様は商品の説明を前向きに受け入れてくれるようになります。
「買うなら、いま買ったほうがいい」と、さりげなく限定性やお得さを感じさせ、購買意欲を高めましょう。「いつでも買える」と思うと後回しにしてしまい、購入の道が遠のいてしまうかもしれません。「購入するなら今がベストですよ」と伝えることで、購入への決断を後押しできます。「今なら数量限定でお得パックがありますよ」「今ならポイントがたくさん付きます」など、お客様にメリットがあることを伝えることで、押し売り感が薄れ、お客様が購入する確率が高まります。
具体的な行動を促し、迷っていたら選択肢を残してあげましょう。最後にお客様が購入に踏み切れるよう、最後の一押しをすることです。ここで「いかがですか?」とだけ聞くのではなく、「まずは1ヶ月分から試してみませんか?」など、具体的な行動を促す言葉をかけます。そして、もしお客様が迷っている様子なら、無理に勧めないことも大切です。「サンプルをお渡しするので、ぜひ今日使ってみてください」と、実際に家で試してもらったり、「◯日までお得なので、また来てくださいね」など、考える時間を与えることで「押し売りされていない」という安心感が生まれます。そして、その安心感こそが、リピーターにつながります。
最後まで読んでみて、なんだかできそうな気がしませんか?
販売トークが苦手だった筆者も、PASONAの法則を知ってから、少しずつお客様に話を聞いてもらえるよういなりました。
もう一度おさらいしてみましょう。
1.Problem(問題)
2.Affinity(親近感)
3.Solution(解決策)
4.Offer(提案)
5.Narrowing down(絞り込み)
6.Action(行動)
この流れを意識するだけで話が広がります。最初から販売が成功しなくても大丈夫。前よりお客様との話が弾むようになるし、「この人に相談してよかった」と思ってもらえる機会が増えるはずです。販売において最も大切なのはお客様に話を1秒でも長く聞いてもらえることだと、筆者は考えています。
ぜひPASONAの法則を用いた販売トークに挑戦してみてくださいね。
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