健康寿命延伸のためのセルフケア・セルフメディケーションが国の政策として打ち出されており、セルフケアの一環として健康食品が注目されています。ドラッグストアには数多くの健康食品が販売されており、登録販売者が健康食品についてお客様から質問される場面も多いかと思います。そこで、今回は【ドラッグストアで健康食品を販売するときのポイント】を解説します。
いわゆる「健康食品」と呼ばれるものについては、法律上の定義はなく、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般を指しているものです。そのうち、国の制度としては「保健機能食品制度」と「特別用途食品制度」がありますが、サプリメントなどの一般食品を含めて、いわゆる健康食品として知られています。
なお、健康食品は医薬品ではありませんので、健康食品を含む全ての食品(特別用途食品、疾病リスク低減表示特定保健用食品を除く)は、疾病の予防・治療に用いるものではありません。
保健機能食品は、「機能性が表示できる」のが特徴で、次に挙げる3つに分類されます。
・特定保健用食品(個別許可制)
・栄養機能食品(自己認証制)
・機能性表示食品(届出制)
特別用途食品は、幼児、乳児、妊産婦、病者などの発育、健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示するものをいいます。
・特別用途食品(許可基準があれば適合審査、なければ個別評価)
サプリメント、栄養補助食品、健康補助食品などといったかたちで販売されている食品は一般食品に含められ、機能性の表示はできません。
参照:厚生労働省「いわゆる健康食品のホームページ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
参照:(保健機能食品等の詳細はこちら)厚生労働省eJIM「健康食品」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/index_food.html
健康食品は補助的に摂取するものであり、医薬品のような効果を期待してはならない分、お客様へのご説明や勧め方に難しさを感じます。どのような事に注意し、どのように販売したらよいのか、以下に、健康食品を販売時のポイントをご紹介します。
健康食品の選択は、個々の健康状態や目的によって異なります。まずは、お客様のご利用目的を理解するために質問しましょう。
次に、医薬品と健康食品のどちらをお勧めするべきかを判断します。お客様が健康食品をご希望でない限り、症状や利用目的によっては医薬品も選択肢に入れておいた方がよいでしょう。
例えば、「貧血」で悩まれているお客様が「鉄分」のサプリメントで悩まれているとします。お客様には健康食品についてのご説明とともに、医薬品にも貧血薬があることをお伝えするとよいでしょう。お客様は選択肢が増え、ご自身の状況に合わせた選択をすることが可能になります。
健康食品市場は広範囲にわたり、品質や剤形、信頼性の異なる商品が多数存在します。登録販売者は、商品についての知識が重要になりますが、商品や成分がどういう働きを持つのかをご説明し、過剰症があるビタミンなどの場合は、1日あたりの目安となる量や摂取上限、摂取方法と合わせてご説明するとよいでしょう。
注意点としては、「医薬品のような表現方法は避ける」ということです。これは、健康食品に関する表現が薬機法の領域に入り込むことで薬機法違反となりますので、「〇〇に効きます」「〇〇が治ります」などの表現は避ける必要があります。
なお、健康食品の成分の効果や有害な作用については、人に対する安全性や有効性に関する情報が確認できるデータベースがありますので、ご参考ください。
参考:国立開発研究法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/
健康食品の中には、医薬品との相互作用に注意が必要な成分もあります。販売の際は必ず服用中の医薬品がないかを確認しましょう。
参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物と薬の相互作用(サプリメント編)(健康食品編)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food
※2024年3月現在、記事は更新中
参照:(医薬品との相互作用に注意が必要な健康食品の情報はこちら)
一般社団法人愛知県薬剤師会「医薬品との併用に注意のいる健康食品」
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3755.html
お客様のご希望をしっかりと伺った上で商品を選択します。ここで重要なのが、成分知識と商品知識です。
基本的な成分知識も重要ですが、例えば、ビタミンであれば「ヘム鉄と非ヘム鉄の違い」、タンパク質であれば「ホエイとカゼインとソイの違い」などを理解していると、お勧めできるお客様の対象がわかりやすくなります。
また、成分情報通りの働きをしてくれる商品なのか、商品知識があれば信頼性のある商品を選択しやすく、ご説明にも深みが増しますので、吸収率など商品の詳細データを把握することをおすすめします。
参考:(ビタミンに関する情報はこちら)
一般社団法人愛知県薬剤師会「5.ビタミン」
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3892.html
POPに関しては、景品表示法などに抵触しないように注意しましょう。
参照:消費者庁 健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項
P13 第4 景品表示法及び健康増進法上問題となる表示例
健康食品は特に商品知識が重要です。商品についての詳細データを知る機会があれば、積極的に情報を取得することをお勧めします。お客様の食生活や健康状況など、ライフスタイルを総合的に考慮しつつ、信頼できる商品をお勧めしましょう。お客様の健康の維持・増進のためには、セルフケアの一端を担う登録販売者の役割は重要です。
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